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eSIMとは?物理SIMとの違いやメリット・デメリットまとめ

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「eSIM」という新しい形のSIMが注目されています。総務省もその利便性を高く評価しており利用を推進していますが、現在主流の物理SIMで十分なことも多く、eSIMのデメリットを気にしている方も多いでしょう。

この記事では、eSIMと物理SIMとの違いから、eSIMのメリット・デメリット、eSIMに対応した格安SIMまで詳しく解説します。

SIMカードとは?eSIMと物理SIMの違い

物理SIMからの移行者が増えているeSIMは、物理SIMとどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、eSIMと物理SIMの違いを、SIMカードの特徴や役割をふまえて解説します。

そもそもSIMカードとは?

SIMとは「Subscriber Identity Module(加入者識別モジュール)」を略したもので、SIMをカード型にしたものをSIMカード(物理SIM)と呼びます。SIMには、識別番号や電話番号、メールアドレスといった回線契約者の情報が記録されており、その情報によって通信・通話が可能になります。

そのため、スマートフォンでインターネットや通話を行なうには、SIMが必要です。ただし、Wi-Fiを利用するときにはSIMは必要ありません。

eSIMと物理SIMは何が違う?

eSIMと物理SIMは、どちらもSIMとしての役割を担っており、機能的な違いはありません。2つのSIMの違いとなるのは、スマートフォンに内蔵されているか、独立しているかという点です。

先述のとおり、物理SIMはSIM機能を搭載したカードのことを指し、スマートフォンからは独立しています。そのため、物理SIMを使って機種変更する場合は、新しいスマートフォンへSIMカードを差し替える作業が必要です。

一方、eSIM(Embedded SIM)は、スマートフォンに内蔵されたSIMのことです。専用アプリなどを利用してオンラインで契約者の情報をeSIMに書き込むことで、SIM機能を発揮します。SIMカードの発行・発送を待つ時間が不要なため、新規契約や機種変更がスムーズに行なえるのが特徴です。

また、eSIMは物理SIMの煩わしさを解消できることから、総務省が定めたモバイル端末に関するガイドラインではeSIMの利用が推進されています。新規契約手続きの円滑化や海外旅行者を含む利用者の利便性向上などを目的に、各通信事業者に対して積極的にeSIMを導入するよう働きかけが行なわれているのです。

eSIMの4つのメリット

ここでは、eSIMのメリットを4つ解説します。物理SIMで煩わしさや不便さを感じている方は、内容をしっかりチェックしてeSIMへの移行を検討してみましょう。

スマートフォン1台で2つの回線が利用できる

通常、1台のスマートフォンにつきSIMカードは1枚しか挿入できないため、1つの回線しか利用できません。しかし、eSIMに対応しているスマートフォンでは、1台で2つの回線を利用できる機種も販売されています。

スマートフォン1台で2回線を利用する方法は、eSIMと物理SIMを合わせた「デュアルSIM」、または、eSIMとeSIMを合わせた「デュアルeSIM」の2つです。

これらの方法を使えば、SIMごとに個人用と仕事用の回線を使い分けることが可能です。また、回線の種類を分けることで、1つの通信回線に障害が発生しても通信・通話が可能な環境を実現できます。工夫次第で多様な使い方ができることが、eSIMのメリットです。

eSIM向けプランは安価なことが多い

eSIMは物理SIMとは違って、発行や発送といった事務手続きが必要なく、新規契約時の手数料やコストを抑えられます。また、SIMカードのサイズ変更や不具合による再発行も必要ないため、機種変更時の手数料も削減可能です。さらに、eSIMは店頭での手続きやサポートが必要ないため、事業者は人件費などのコストカットもできます。

その結果、eSIMの利用料金は物理SIMよりも安くなっていることが多く、eSIMに移行するだけで利用料金の節約を実現できるのです。

SIMカードを入れ替える必要がない

eSIMはスマートフォンと一体化しているため、機種変更時にSIMカードを入れ替える必要がありません。そのため、古い端末からSIMカードを抜いたときに、SIMカードが破損したり紛失したりするリスクがなく、安心して機種変更ができます。また、カードスロットの破損による端末修理の心配も無用です。

さらに、eSIMなら再発行したときに、古いSIMカードを返却する必要もありません。

機種変更時の手間やリスクを大幅に削減でき、新しい端末を手に入れたらすぐに利用を開始できることは、eSIMの大きなメリットです。

海外でスマートフォンを利用するときに便利

海外でも国内用のSIMカードは使えますが、各料金プランは適用されず、高額な通話料やデータ通信料が発生する場合があります。そのため、海外で安心してスマートフォンを利用するためには、海外用のSIMカードを用意しなければなりません。

eSIMならオンラインで申し込み可能で、短時間で利用できるようになるため、海外に行くまでの日数が短い場合でも間に合います。また、物理SIMとeSIMが利用できる「デュアルSIM」対応のスマートフォンなら、海外に行くときだけeSIMを利用し、帰国したらもとの国内用物理SIMに切り替えるなどの方法も可能です。

eSIMの4つのデメリット

eSIMはメリットが多い一方で、新しい技術だからこそのデメリットもあります。ここでは、eSIMを使うときに覚えておきたいデメリットについて解説します。

格安SIMでは非対応の会社が多い

eSIMのデメリットの1つとして挙げられるのが、eSIMに対応している回線事業者の数が少ない点です。docomoやau、SoftBankはeSIMに対応していますが、格安SIMを提供する回線事業者ではeSIM非対応であることが多く、選択肢が限られます。

2023年3月現在、eSIMに対応しているおもな格安SIMの回線事業者は以下のとおりです。

eSIM対応の格安SIM会社

  • ワイモバイル
  • UQ mobile
  • 楽天モバイル
  • LINEMO
  • ahamo
  • IIJmio
  • mineo
  • LinksMate
  • povo
  • 日本通信SIM

また、上記のeSIMに対応している回線事業者であっても、eSIMの契約プランには音声通話が含まれていないことがあります。大手キャリアのSIMと併用する場合は問題ありませんが、格安SIMの回線だけを利用する場合には、プラン内容を注意深くチェックしましょう。

eSIMに対応していないスマートフォンが多い

物理SIMは大半のスマートフォンに対応していますが、eSIMに対応している機種は多くありません。これは、国内でeSIMの仕組みが開始されたのが、2021年前後と新しいためです。

また、2021年以降に発売された新しい機種でも、すべての機種がeSIMに対応しているとは限りません。例えばiPhoneの場合、iPhone XR以降の機種はすべてeSIMに対応していますが、Androidの場合は機種によって異なります。

そのため、eSIMを利用したい場合には、スマートフォンのスペック表などからeSIMに対応しているかをきちんとチェックしておく必要があります。

初期設定が手間

eSIMはオンラインで手続きができるため、いつでも申し込みが可能で開通までのスピードが速いというメリットがあります。

しかし、カードを差し替えるだけの物理SIMと違って、eSIMではプロファイルをダウンロードするなど、自分で初期設定をしなければいけません。また、プロファイルのダウンロードには、Wi-Fiに接続したり、別端末でQRコードを読み取ったりする必要があります。

さらに、スマートフォンの故障や紛失などの場合には、eSIMのプロファイルの再発行に、物理SIMよりも手間がかかることがあるため注意が必要です。

このようにeSIMでは、新規契約時や機種変更時の初期設定に手間がかかる点がデメリットです。特に、機器の操作に慣れていない方ほど、eSIMの初期設定に手間がかかってしまう可能性があります。

機種変更は物理SIMより手間がかかる可能性がある

機種変更時に物理SIMよりも手間がかかってしまう要因には、初期設定以外に、スマートフォン端末が「SIMロック」されていることも挙げられます。

SIMロックとは、スマートフォン端末とSIMの情報を固定するもので、端末がSIMロックされた状態だと、契約した回線事業者以外のSIMが使えません。そのため、機種変更と同時にeSIMが使える回線事業者へ乗り換える場合には、SIMロックを解除する手続きが必要です。

ただし、docomoからdocomo回線を利用する格安SIMへ移行するなど、同じ系列での回線乗り換えではSIMロックの解除は必要ありません。

また、SIMロックは2021年10月1日より原則禁止されており、eSIMに対応している機種はおもに2021年以降に発売された機種です。つまり、eSIMへの移行にSIMロックの解除が必要になる可能性は低いため、実際には気にならないデメリットといえるでしょう。

eSIM対応している格安SIM会社3選

ここでは、eSIMに対応している格安SIMの回線事業者のなかでも、特におすすめの3社を紹介します。回線の特徴や料金などを詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

IIJmio

「IIJmio」は、株式会社インターネットイニシアティブが提供している格安SIMで、SIMの機能とデータ量を自由に選択できるのが特徴です。

IIJmioのeSIM対応プランは次のようになっています。

【音声eSIMプラン】

  • 2ギガプラン:850円(税込)/月
  • 4ギガプラン:990円(税込)/月
  • 8ギガプラン:1,500円(税込)/月
  • 15ギガプラン:1,800円(税込)/月
  • 20ギガプラン:2,000円(税込)/月
  • 初期費用:3,300円(税込)
  • SIMプロファイル発行手数料:220円(税込)
  • 回線はauのみ

【データプラン ゼロ(データ通信専用)】

  • 月額料金:165円(税込)
  • 追加データ量1GB:330円(税込)/月
  • 追加データ量2~10GB:495円(税込)/月
  • 初期費用/パッケージ価格:3,300円(税込)
  • 回線はdocomoのみ

IIJmioのeSIM対応プランは、音声通話の有無によって利用できる回線が限定されることに注意が必要です。サービス内容と回線の種類をふまえて、ご自身に最適なプランを選択しましょう。

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ahamo

「ahamo」は大手キャリアのdocomoが提供している格安SIMで、回線や通信サービスなどはdocomoで提供されているものと変わりません。そのため、現在docomo回線を利用している方はahamoへスムーズに移行でき、使用感もdocomoと大きくは変わらないでしょう。

ahamoでのeSIMの契約プランは、次のようになっています。

【利用料金】

  • 基本料金(20GB):2,970円(税込)/月
  • 大盛りオプション(+80GB):1,980円(税込)/月
  • 1GB追加:550円(税込)

【dカード特典】

  • dカードで料金の支払いをした場合:+1GB/月
  • dカードGOLDで料金の支払いをした場合:+5GB/月

【各種サービス】

  • 海外データ通信20GBまで無料
  • 国内通話5分間無料、超過後は22円(税込)/30秒
  • 国内通話かけ放題オプション:1,100円(税込)/月

ahamoでは、物理SIMとeSIMのプランが同じ内容なのが特徴です。また、公式ホームページでは、eSIMの設定方法が動画で詳しく解説されているので、安心してeSIMの申し込みができるでしょう。

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UQ mobile

「UQ mobile」はauと同じKDDIが提供している格安SIMで、回線もauと変わりません。ほかの回線を選ぶことはできませんが、5Gや4G LTEなどのサービスエリアはauと同じなので、auの高品質なサービスを安く使えるのが魅力です。

UQ mobileでのeSIMの契約プランは、次のようになっています。

【データ通信プラン】

  • くりこしプランS +5G:1,628円(税込)/月
  • くりこしプランM +5G:2,728円(税込)/月
  • くりこしプランL +5G:3,828円(税込)/月

【通話オプション】

  • 通話放題:1,980円(税込)/月
  • 通話放題ライト:880円(税込)/月
  • 通話パック(60分/月):550円(税込)/月

UQ mobileのeSIMの契約プランは、3種類のデータ通信プランに通話オプションを付ける形になっており、データ通信プランだけの利用も可能です。また、物理SIMと共通したプランのため、現在物理SIMで契約している方も、同じ料金でeSIMへと移行できます。

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まとめ

スマートフォン端末と一体化しているeSIMは、物理SIMのデメリットを改善し、スマートフォンの利便性を高めてくれます。しかし、eSIMに対応した端末や格安SIMの回線事業者が少ないことや、初期設定を自分で行なう必要があることなどのデメリットを考慮しなければなりません。

ただ、eSIMの詳細な設定方法は、各回線事業者の公式ホームページから確認できます。手順自体はそこまで難しくないので、ぜひこの機会にeSIMへの移行を検討してみましょう。

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