この記事にたどり着いた方の多くは、「実質0円」「一括0円」でスマートフォン端末を手に入れる方法を探しているかもしれません。
たしかに、0円でスマートフォン端末を手に入れられる時代もありましたが、現在は法律の改正により「0円販売」が廃止されました。
しかし、現在でも「実質1円」「一括1円」などの格安スマホは販売されています。法規制があるにもかかわらず、格安で購入できるのはなぜでしょうか?
この記事では、スマートフォン端末を1円で購入する方法や注意点のほか、現在使用中の端末で使える月額0円のSIMカードを紹介します。
目次
格安スマホの端末は本当に0円で買える?
冒頭で説明したとおり、現在ではスマートフォン端末を0円で購入することはできません。ただし、1円で購入することは可能です。
格安スマホが「実質1円」などで購入できるからくりと、電気通信事業法改正によってどのような決まりができたのかを解説します。
格安スマホの「0円販売」は法改正で廃止
かつてスマートフォン端末は「実質0円」「一括0円」を売りにした販売がされていました。2019年10月に施行された改正電気通信事業法により端末料金の割引額に一律2万円の上限規制が設けられ、「0円販売」は廃止になりました。
これは、大手キャリアが提供していた通信サービスの継続利用を条件とする割引を、行きすぎた囲い込みではないかと問題視して行なった法改正の結果です。
その後、規制内容がさらに見直され、2023年12月27日 より端末料金の割引額上限は、以下のように緩和されました。しかし、全額割引で0円にすることは変わらず認められていません。
端末料金の割引額上限
- 端末価格4万円以下:2万円 (税込2万2,000円)
- 端末価格4万~8万円:端末価格の50%
- 端末価格8万円以上:4万円(税込4万4,000円
また、継続利用割引に関する規制も見直されました。見直し以降は、規制対象となる継続期間の目安が「6ヵ月を超える期間」とされ、通信料金以外の割引も規制対象 とされています。
1円で格安スマホを購入できる理由
「実質0円」「一括0円」が規制により廃止となりましたが、その後も「実質1円」「一括1円」で端末を販売するキャリアが増えています。
2019年の規制開始当初は、回線契約と端末購入がセットの場合のみ規制対象とされ、回線契約がともなわない端末購入には、割引上限が設定されていませんでした。その結果、端末購入のみを条件とした「白ロム割」により高額割引が「実質1円」「一括1円」での販売が行なわれていたのです。
しかし、2023年12月27日からは、端末購入のみの場合も規制対象に含められたため、以前のような高額割引はできなくなりました。そのため、現在では販売価格が安価なスマートフォン端末に限り、「実質1円」「一括1円」での購入が可能 です。
また「実質1円」などのキャンペーンの多くは、1年間や2年間など、一定期間後に端末をキャリアに返却する条件付きで実現しています。
例えば、機種代金が24ヵ月間割引になるプランでは、25ヵ月目に端末を返却(下取り)することで機種代金の残高が相殺される仕組みです。この場合、25ヵ月目以降も端末を継続して使用する場合は、通信料金に加えて機種代金の残高の支払いが追加されます。
なお、2年後に端末を返却するプランでは、端末を1年以上使用すれば、2年を待たずに返却可能な場合もあります。ただし、解約月から23ヵ月目までの機種代金は支払いが必要です。例えば18ヵ月目に解約した場合、18ヵ月目から23ヵ月目分は自己負担になり、24ヵ月目の支払い分のみ割引されという仕組みです。
以前は、2年後に機種代金の支払いと割引が終わる仕組みでしたが、現在では端末を返却せず一定期間以上使用すると、毎月の支払い額が上がってしまいます。「実質1円」などの端末は条件をよく確認して契約しましょう。
キャンペーンで格安スマホを0円(1円)にする方法
通信事業者各社のキャンペーン対象になれば、「実質1円」「実一括1円」でスマートフォン端末を購入できる場合があります。ここでは「実質1円」「実一括1円」の格安スマホを紹介します。
Y!mobile
Y!mobileのオンラインストアでは、キャンペーンで「一括1円」で購入できる特価スマートフォン端末が登場します。割引適用には、乗り換え(MNP)で料金プラン「シンプル2 M/L」を選択すること(新規契約も対象となる場合もあり)、および一括払いが条件です。
過去のキャンペーンでは、「Libero 5G IV」や「AQUOS wish」などが「一括1円」で販売されていました。
また、機種代金が最大約2万円割引になるキャンペーンも実施されています。例えば、「Android One S10」の機種代金は、3万6,000円から以下のように値引きされています。
ポイント
- 新規契約、乗り換え(MNP):1万8,000円(1万8,000円値引き)※料金プラン「シンプル2 M/L」の場合
- 機種変更:3万1,680円(4,320円値引き)
なお、インターネットから申し込むと、事務手数料3,850円(税込)が0円になるため、さらにお得です。
Y!mobileを契約している、または新規契約を検討している方は、オンラインストアをチェックしてみましょう。
LIBMO(リブモ)
株式会社TOKAIコミュニケーションが提供する格安SIMブランドのLIBMOでは、新規(MNP含む)で申し込みの方を対象に、機種代金を最大2万円割引する「スマホ大特価セール」を実施中です。このセールを利用すると、スマートフォン端末を一括1円で購入できます。
セール価格の適用は、以下を満たすことが条件です。
条件
- なっとくプランで音声通話機能付きSIMを新規(MNPを含む)契約
- 契約と同時に端末を購入
LIBMOのなっとくプラン(音声通話機能付きSIM)には、3GB、8GB、20GB、30GBがあります。最大2万円の割引を受けるには、20GBまたは30GBプランの契約が必要です。3GB、8GBの場合は、割引が最大1万円となるため注意してください。
2024年4月時点では、なっとくプラン20GB、30GBで新規契約した場合、機種代金2万1円の「moto g24」などが、2万円割引の1円で一括購入できます。
UQ mobile(ユーキューモバイル)
UQ mobileのオンラインショップでは、「UQ mobileオンラインショップおトク割」で最大2万2,000円(税込)の割引が受けられ、以前は一括1円で購入可能な端末がありましたが、2024年10月時点では「iPhone SE(第3世代)」や「iPhone 14」のほか、「Redmi 12 5G XIG03」が最安47円で購入が可能です。
割引の適用には、以下が条件となっています。
条件
- 対象機種の購入
- トクトクプラン/コミコミプランと増量オプションⅡに加入
また、機種変更の場合に対象の機種代金が3,850円割引される「UQ mobileオンラインショップ スペシャルセール」も実施中です。以下の条件を同時に満たす必要があります。
条件
- トクトクプランまたはコミコミプランに加入
- 「故障紛失サポート(有料)」に新規加入、または継続して加入
- 直近の購入機種を2ヵ月以上利用
0円(1円)で格安スマホを購入するときの注意点
スマートフォン端末の大幅割引は法律で規制されるようになったものの、通信事業者各社のキャンペーンにより、現在も「実質1円」「一括1円」など、スマートフォン端末が格安で販売されています。これらを購入する際に注意すべきポイントを4つ解説します。
回線の契約が必須
「実質1円」「一括1円」で端末を購入するには、回線の契約が必要です。端末のみの購入は割引の適用条件を満たさず、対象外となります。通常、キャリア側は回線の契約での収益を見越して「実質1円」などの価格を設定しているため、回線の契約なしでの購入はできません。
また、回線の契約とセットで「実質1円」などの端末を購入した場合、回線を即時解約することはおすすめできません。割引のキャンペーン適用対象外となる場合もあるため注意しましょう。
なお、キャリアのオンラインショップだけでなく、ヨドバシカメラなどの家電量販店でも、回線の契約のほか端末の返却など、店舗独自の条件付きで格安スマホが販売されていることがあります。タイミングが合えば近くの家電量販店で「実質1円」などのスマートフォン端末に出会えるかもしれません。
キャンペーンの詳細を確認する
「実質1円」「一括1円」になるキャンペーンには細かな条件があります。契約する前に適用条件の詳細をよく確認しましょう。
なかでも多い条件として「他社からの乗り換え(MNP)」があります。新規契約や端末のみ購入の場合、キャンペーンの適用対象外や、割引の減額になることが多いでしょう。
また、実際に端末を購入した際の支払いが「1円」なのではなく、ポイント還元やキャッシュバックなどと相殺して「実質1円」と謳っているケースも多く見られます。
さらに、特定のオプションや対象プランへの契約が条件の場合もあります。不要なオプションや必要以上のサービスがついたプランの場合、月々の支払い金額が高くなる可能性があるため、慎重に判断しましょう。
機種が新品とは限らない
「実質1円」「一括1円」など、格安で販売される端末には、認定中古品が含まれていることがあります。少しの傷がついている場合もありますが、キャリアによって動作確認や品質のチェックが行なわれているため、使用時には気にならないかもしれません。
例えば、Y!mobileのオンラインストアでは「ソフトバンク認定中古品iPhone」が販売されています。販売価格は一括1円以上で、2024年4月時点で販売されているiPhone端末はiPhone 12、iPhone 12 mini、iPhone 13、iPhone SE(第2世代)です。
「ソフトバンク認定中古品iPhone」とは、ソフトバンクで販売したiPhoneをリユースした商品で、端末外観の検査や検査ツールによる機能確認、専門業者によるクリーニングを実施した中古のiPhone端末です。不備があった商品は交換にも応じてくれます。
ただ、格安スマホを検討中でも、中古品に抵抗がある方は避けたほうが無難かもしれません。
「実質」の場合は通常の支払いが必要
「実質1円」とは、あとから還元されるポイントなどによって、機種代金が最終的に1円になるという意味です。契約時には通常の機種代金をいったん支払う必要があるため注意しましょう。
一方「一括1円」とは、一括払いの場合に機種代金が実際に1円になるという意味で「実質1円」とは異なります。
「実質1円」で端末を購入するには、端末の割引やポイント還元などのキャンペーンで複数の条件を満たす必要があったり、エントリーが必要だったりするため、購入前に十分な確認が必要です。
なかには、条件として指定期間後に端末を返却しなければ「実質1円」にならないこともあります。また、返却時に端末が破損している場合には、追加費用が発生する可能性もあるため注意しましょう。
月額0円になるSIMカードもある!
ここまで「実質0円」「実質1円」で格安スマホの端末を、購入する方法を紹介してきました。実は、手持ちのスマートフォンで利用できる「月額0円」のSIMカードも存在します。
そこで「月額0円」で契約できる格安SIMを2つ紹介します。
DTI SIM
DTI SIMは株式会社ドリーム・トレイン・インターネット(DTI)が運営する格安SIMです。DTIはインターネットプロバイダーとして20年の実績があり、モバイル通信が開始された当初からSIMカードを提供してきました。そのDTIから新しく誕生した格安SIMがDTI SIMです。
DTI SIMでは、初めて契約する方限定で以下のように「月額0円」の料金プランが設けられています。
<お試しプラン>
プラン名 |
1ヵ月目~6ヵ月目 |
7ヵ月目以降 |
でんわ定額プラン 3GB |
1,672円 |
2,541円 |
データ半年お試しプラン 3GB |
0円 |
924円 |
データSMS半年お試しプラン 3GB |
0円 |
1,089円 |
※価格はすべて税込
引用:DTI SIM
「月額0円」となるのは、利用開始月から6ヵ月間です。オプション利用料やユニバーサルサービス料、電話リレーサービス料、従量課金などは別途必要となり、利用開始月から7ヵ月後からは月額基本料金がかかる点に注意しましょう。
また、「月額0円」になる「データ半年お試しプラン 3GB」と「データSMS半年お試しプラン 3GB」は、音声通話ができません。
さらに、DTI SIMの通常プランは未使用データ容量の繰り越しができますが、お試しプランの場合、利用開始月から6ヵ月目までは繰り越し不可です。7ヵ月目以降より未使用データ容量の繰り越し対象となります。
なお、DTI SIMはドコモ回線を使用しており、日本全国の広範囲でスムーズな利用が可能です。DTI会員特典として、ホテルやレストランがお得に利用できる点もメリットといえます。
povo 2.0
povoはauの新料金ブランドです。auの回線を使用しているため、広範囲にわたって高品質な通信速度で快適に利用できます。
povo2.0は基本料0円で、用途に応じて以下のように有料のトッピングを選ぶシステムです。データ使用量や通話量が月々で変動する方におすすめです。
トッピング内容 |
料金(税込) |
データ使い放題(24時間) |
330円/回 |
データ追加1GB(7日間) |
390円/回 |
データ追加3GB(30日間) |
990/回 |
データ追加20GB(30日間) |
2,700円/回 |
データ追加60GB(90日間) |
6,490円/回 |
データ追加150GB(180日間) |
1万2,980円/回 |
DAZN使い放題パック(7日間) |
1,145円/回 |
smash.使い放題パック(24時間) |
220円/回 |
5分以内通話かけ放題 |
550円/月 |
通話かけ放題 |
1,650円/月 |
上記のほか、期間限定のデータトッピングや、他社のサービスチケットとデータ追加がセットになった+αトッピングも用意されています。
povo2.0を基本料0円で利用するときの注意点は、180日間以上有料トッピングがない場合に、利用停止や契約解除になることです。
どのトッピングを選んだら良いかわからないときは、povoサポートにてチャットで相談できます。利用状況に合わせて、最適なトッピングプランを選んでくれるため安心です。
まとめ
電気通信事業法の改正によってスマートフォン端末の「0円販売」が廃止されましたが、各社の工夫によって、現在でも「実質1円」「一括1円」などで入手可能です。
ただし、多くの場合、割引の適用に複数の条件があり、なかには一定期間後の端末の返却が条件とされていることもあるため注意が必要です。
また、「月額0円」のSIMカードもあり、手軽に格安でスマートフォンを利用できるようになっています。
自分の用途に合わせて格安スマホや格安SIMを比較し、月々の費用を抑えられるスマートフォンに乗り換えてみませんか?