auひかりとは、KDDIが提供する独自の光ファイバー回線を利用したインターネット回線サービスです。通信速度の速さに定評があり、なかでもauユーザーに高い人気を誇りますが、利用エリアが限られるなど注意点もあります。
この記事では、auひかりの概要と料金、メリット・デメリット、具体的な申し込み方法について解説していきます。auひかりが気になっていて加入を検討している方やauひかりについて詳しく知りたい方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
目次
auひかりとは?
auひかりとは、スマートフォンのキャリアとしてよく知られているKDDIが提供するインターネット回線サービスです。au独自の光ファイバー通信網で、利用者が多く混雑しやすいNTTの光回線よりもスムーズで安定したインターネット接続が期待できます。
月額費用は、インターネット回線料金やプロバイダサービス料金、機器レンタル料金も含んでいるため、毎月の支払を一本化できます。なお、プロバイダについては別途契約する必要があります。
【戸建て・マンション】auひかりの料金プラン
人気・注目度ともに高いauひかりですが、気になるのは料金プランです。ここからは、戸建てタイプとマンションタイプのそれぞれの料金を解説していきます。
戸建てタイプの料金プラン
戸建てタイプの料金には、4つのプランがあります。
auひかりホーム1ギガ「ずっとギガ得プラン」
「ずっとギガ得プラン」は3年単位で契約が自動更新されるプランです。
このプランの特徴は、利用期間に応じた割引があることです(3年目以降の料金は一定)。新規登録料、初期費用は発生しますが、インターネット回線のみであれば月額5,610円(税込)となり、戸建てタイプのなかでは最安となります。
加えて、インターネット回線以外の電話やテレビを一緒に契約すると「auスマートバリュー」で料金がさらに割引になります。詳しくは以下の表を参考にしてください。
1ギガ「ずっとギガ得プラン」料金詳細(税込)
インターネットのみ |
インターネット+電話 |
インターネット+テレビ |
インターネット+電話+テレビ |
|
1年目 |
5,610円 |
6,160円 |
6,160円 |
6,710円 |
2年目 |
5,500円 |
6,050円 |
6,050円 |
6,600円 |
3年目以降 |
5,390円 |
5,940円 |
5,940円 |
6,490円 |
auひかりホーム1ギガ「ギガ得プラン」
「ギガ得プラン」は契約期間が2年間のプランで、2年ごとに契約が自動更新されます。インターネットのみの月額料金は5,720円(税込)で、「ずっとギガ得プラン」の1年目の料金とあまり大きな違いはありません。
ただし、「ギガ得プラン」には利用期間に応じた割引がありません。インターネット+電話+テレビで契約している場合、3年目以降は「ずっとギガ得プラン」と「ギガ得プラン」では月額330円の差が出ます。年間に換算すると3,960円にもなることから、「ずっとギガ得プラン」のほうがお得だといえるでしょう。
1ギガ「ギガ得プラン」料金詳細(税込)
インターネットのみ |
インターネット+電話 |
インターネット+テレビ |
インターネット+電話+テレビ |
5,720円 |
6,270円 |
6,270円 |
6,820円 |
auひかりホーム1ギガ「標準プラン」
「標準プラン」は契約期間の定めがないプランです。前述の自動更新プランと違い、プラン変更と解約時の手数料がかからない反面、月額料金は全体的に割高となっています。
具体的には、インターネット+電話+テレビで契約している場合、3年目以降は「ずっとギガ得プラン」と1,540円、「ギガ得プラン」とは1,210円の差が出ます。そのため、プランを変更したり解約したりする予定がないのであれば、「ずっとギガ得プラン」あるいは「ギガ得プラン」のほうがお得です。
1ギガ「標準プラン」料金詳細(税込)
インターネットのみ |
インターネット+電話 |
インターネット+テレビ |
インターネット+電話+テレビ |
6,930円 |
7,480円 |
7,480円 |
8,030円 |
auひかりホーム V(ファイブ)5ギガ/X(テン)10ギガ
前述の「ずっとギガ得プラン」「ギガ得プラン」「標準プラン」は、通信速度が最大1Gbpsのプランです。この速度は、Webサイトを閲覧する、動画を視聴するといった日常的なインターネット利用であれば十分な速度だといえるでしょう。
ただし、オンラインゲームやビデオチャットをストレスなく楽しみたいという方、インターネットをするうえで速度を重視する方には、超高速の5Gbpsあるいは10Gbpsのプランがおすすめです。
特に、5Gbpsのプランは1Gbpsのプランと同じ月額料金で技術規格上の速度が5倍になり、10Gbpsのプランも月858円 をプラスするだけで高速回線を利用できます。
詳しい料金は以下の表を参考にしてください。
5ギガ料金詳細(税込)
インターネットのみ |
インターネット+電話 |
インターネット+テレビ |
インターネット+電話+テレビ |
|||||
ずっとギガ得 |
ギガ得 |
ずっとギガ得 |
ギガ得 |
ずっとギガ得 |
ギガ得 |
ずっとギガ得 |
ギガ得 |
|
1年目 |
5,610円 |
6,270円 |
6,160円 |
6,820円 |
6,160円 |
6,820円 |
6,710円 |
7,370円 |
2年目 |
5,500円 |
6,270円 |
6,050円 |
6,820円 |
6,050円 |
6,820円 |
6,600円 |
7,370円 |
3年目 |
5,390円 |
6,270円 |
5,940円 |
6,820円 |
5,940円 |
6,820円 |
6,490円 |
7,370円 |
4年目以降 |
5,940円 |
6,270円 |
5,940円※ |
6,820円 |
6,490円 |
6,820円 |
6,490円※ |
7,370円 |
※auスマートバリュー加入限定割引適用時
10ギガ料金詳細(税込)
インターネットのみ |
インターネット+電話 |
インターネット+テレビ |
インターネット+電話+テレビ |
|||||
ずっとギガ得 |
ギガ得 |
ずっとギガ得 |
ギガ得 |
ずっとギガ得 |
ギガ得 |
ずっとギガ得 |
ギガ得 |
|
1年目 |
6,468円 |
7,128円 |
7,018円 |
7,678円 |
6,160円 |
7,678円 |
7,568円 |
8,228円 |
2年目 |
6,358円 |
7,128円 |
6,908円 |
7,678円 |
6,050円 |
7,678円 |
7,458円 |
8,228円 |
3年目 |
6,248円 |
7,128円 |
6,798円 |
7,678円 |
5,940円 |
7,678円 |
7,348円 |
8,228円 |
4年目以降 |
6,798円 |
7,128円 |
6,798円※ |
7,678円 |
7,348円 |
7,678円 |
7,348円※ |
8,228円 |
※auスマートバリュー加入限定割引適用時
マンションタイプの料金体系
auひかりのマンションタイプはおもに以下の8つのプランがあります。
マンションタイプのおもなプランとインターネットのみの場合の月額料金(税込)
プラン |
月額料金(標準プラン16契約以上) |
マンション ギガ |
4,455円 |
マンション ミニギガ |
5,500円 |
マンション都市機構 |
4,180円 |
マンション都市機構G |
4,180円 |
タイプG |
5,390円 |
タイプV |
4,180円 |
タイプE |
3,740円 |
タイプF |
4,290円 |
これだけプランが分かれているのは、マンションによって配線方式が異なるからです。そのため、住んでいるマンションがどのプランに加入しているかによって、月額料金だけではなく回線速度も変わります。
また、マンションタイプは契約期間に2年の縛りがある「お得プラン」「お得プランA」と、縛りのない「標準プラン」の3つから希望のプランを選択可能です。「お得プラン」と「お得プランA」には「おうちトラブルサポート」というオプションがついており、日常生活で起こる困りごとに365日対応してくれます。「おうちトラブルサポート」は通常月額440円ですが、「お得プランA」の場合は無料になり、お得です。
auひかりのメリット3選
続いては、auひかりを利用するメリットを紹介します。おもなメリットは、以下の3つです。
メリット
- 通信速度が速い
- auのスマートフォン料金が割引になる
- キャンペーンが充実
それぞれ詳しく見ていきましょう。
独自回線で通信速度が速い
光回線といえば、NTTのフレッツ光が思い浮かぶ方も多いでしょう。実際、多くの光回線はフレッツ光を利用しています。それに対して、auひかりはKDDI独自の光ファイバー網を使うため混雑が少なく、通信速度が比較的速いのが最大のメリットです。送受信にかかる応答時間(タイムラグ)を示すPing値も良好であり、ストレスなくインターネットを利用できるでしょう。
また、基本的にauひかりはどのプロバイダやプランを選んでもIPv6に標準対応しています。ただし、auひかりでIPv6を使っても回線速度は変化しません。これは、もともとIPv4接続でも速い通信ができる独自回線を使っているためです。
auのスマートフォン料金が割引になる
auひかりの契約の際にauスマートバリューに加入すると、auのスマートフォン料金が永年割引されます。割引額はスマートフォンの料金プランによって変わり、例えば「使い放題MAXプラン」では1,100円(税込)の割引ですが、「スマホミニプラン」の4Gと5Gの場合の割引額は550円(税込)です。
また、UQモバイルとセットの「自宅セット割」も割引の対象になります。詳しい割引額は以下の表のとおりです。
自宅セット割の場合の割引額(税込)
基本料金 |
割引金額 |
割引後月額料金 |
|
ミニミニプラン |
2,365円 |
1,100円/月 |
1,078円/月※1 |
トクトクプラン |
3,465円 |
1,100円/月 |
990円/月※1※2 |
トクトクプラン |
2,178円/月※1 |
||
コミコミプラン |
3,278円 |
割引対象外 |
3,278円/月 |
※1 自宅セット割(1,100円割引)に加えてau PAYカードお支払い割(月額187円割引)を適用したときの金額
※2 トクトクプラン1GB以下の場合、さらに1,188円の割引が適用になるため
キャッシュバックのキャンペーンが充実
キャッシュバックキャンペーンを定期的に実施している点も、auひかりの魅力といえます。キャッシュバックやプレゼントキャンペーンなどはほかの光回線でも実施していますが、そのなかでもauひかりはキャッシュバック額が高額なのが特徴です。
例えば、他社からの乗り換えで10万円以上ものキャッシュバックを行なっている申込窓口もあります。また、乗り換え時にauスマートバリュー加入で乗り換え特典が受けられるほか、他社回線の解約違約金相当額(最大3万円)がキャッシュバックされるキャンペーンなどもあり、大変お得です。
こうしたキャンペーンを活用すれば、違約金がネックで他社回線の解約に踏み切れない方でも乗り換えのハードルが下がるでしょう。少しでもお得に回線を乗り換えたい方には、auひかりがおすすめです。
auひかりのデメリット3選
メリットが多いauひかりですが、当然デメリットもあります。ここでは、以下のデメリットについて解説していきましょう。
デメリット
- 対応エリアが一部に限られる
- マンションにより回線の速度が異なる
- 解約時に撤去費用がかかる
対応エリアが一部に限られる
auひかりは主要都市を広くカバーしているものの、独自回線であるがゆえに全国に展開しているわけではありません。特に戸建てタイプに関しては、関西・東海は対象外となっています。市町村ごとにも提供エリアが異なるため、申し込みの前に居住地が対応エリアに該当するのかどうかの確認が必要です。
対応エリア外の地域は、全国対応が可能なNTTのフレッツ光を利用した回線が向いているといえます。また、マンションタイプは建物に専用の設備を導入する必要があるため、普及率が上がっていないのが実情です。
マンションにより回線の速度が異なる
前述のとおり、マンションの場合は配線方式が建物によって異なることから、マンションごとにプランが決まっています。そのため、同じauひかりでもマンションによって速度に差が出るのです。
プラン |
月額料金 |
最大速度 |
マンション ギガ |
4,455円 |
1Gbps |
マンション ミニギガ |
5,500円 |
1Gbps |
マンション都市機構G |
13,200円 |
664Mbps |
マンション都市機構 |
4,180円 |
100Mbps |
タイプG |
5,390円 |
664Mbps |
タイプV |
4,180円 |
100Mbps |
タイプE |
3,740円 |
100Mbps |
タイプF |
4,290円 |
100Mbps |
上記表を見ると、ギガやミニギガ、タイプG、都市機構Gは速い傾向にあります。マンション都市機構やタイプV、E、Fは最大100Mbps程度であり、日常的なインターネット利用であれば大きな支障はありませんが、より快適にインターネットを活用したいのであれば別の回線を検討したほうがよいでしょう。
なお、都市機構Gと都市機構については、UR都市機構の賃貸マンションに住む方が申し込めるプランです。
解約時に撤去費用がかかる
戸建ての「ずっとギガ得」、「ギガ得プラン」およびマンションプランのうち標準プランを除くものは、契約更新のタイミングで解約しないと契約解除料が発生します。詳細は以下のとおりです。
プラン |
かかる費用の詳細 |
金額 |
【戸建て】 |
契約解除料 |
16,500円 |
契約解除料 |
4,730円 |
|
撤去工事費用 |
2018年2月28日以前に申し込み:11,000円 2018年3月1日以降2022年6月30日までに申し込み:31,680円 2022年7月1日以降に申し込み:31,680円 |
|
【戸建て】 |
契約解除料 |
10,450円 |
契約解除料 |
4,460円 |
|
撤去工事費用 |
2018年2月28日以前に申し込み:11,000円 2018年3月1日以降2022年6月30日までに申し込み:31,680円 2022年7月1日以降に申し込み:31,680円 |
|
【マンション】 |
契約解除料 |
10,450円 |
契約解除料 |
2,730円 |
|
【マンション】 |
契約解除料 |
7,700円 |
契約解除料 |
2,290円 |
上記プランでも、契約満了月を含めた3ヵ月間であれば契約解除料はかかりません。契約を解除する場合は、タイミングをきちんと見極めましょう。
auひかりは独自回線のため、解約時は引き込んだ配線や機器の撤去が必要になります。上記表からわかるとおり、撤去費用がかなり高額な点も注意しましょう。
auひかりの申し込み方法と開通までの流れ
最後に、auひかりに申し込みをする手順と各窓口の違い、開通工事の流れについて解説します。
対応エリアかどうか確認する
すでに解説済みですが、auひかりは対象エリアが限られています。そのため、まずは住んでいる地域が対応エリア内かを確認しましょう。対応エリアについては、auひかり公式ページの「提供エリアの検索」で確認できるほか、各申込窓口でauひかりの導入状況をチェックできます。
好みの窓口からauひかりを申し込む
auひかりの申込窓口・方法は以下の5つです。
申し込み窓口
- KDDIへ電話
- auひかりホームページ
- auショップ窓口
- 代理店
- 家電量販店
どの窓口から申し込むかは好みでかまいませんが、適用されるキャンペーンの内容が窓口によって異なるため、事前に実施中のキャンペーンはチェックしておきましょう。
なかでも、代理店窓口はキャンペーンが充実している傾向にあります。高いもので8~10万円程度のキャッシュバックを受けられることもありますが、適用条件にオプションサービスへの加入があることも多いので注意しましょう。
KDDIやauひかりホームページ、auショップは公式窓口のため、キャンペーンに関するお得度はやや劣りますが、不明点をその場で確認できるというメリットがあります。
家電量販店のauひかり窓口で申し込んだ場合は、家電量販店のポイントでキャッシュバックされることもあります。
申し込み後~開通工事の流れ
各窓口で申し込み後、工事日の調整、宅内機器の郵送、開通工事の立ち会い、初期設定を経て、利用開始となります。ただし、戸建てとマンションでは開通工事の内容が異なるので注意です。
戸建ての場合
- 最寄りの電柱から自宅まで光ファイバーケーブルを引き込む
- 建物の壁面に金具を設置し、光ファイバーケーブルを引き込み口まで固定する(このとき壁面に穴を開けます)
- エアコンのダクトや電話線の配管など から自宅のなかへ光ケーブルを引き込む(引き込み口として利用できる設備がない場合は、壁面に小さな穴を開け、防水浸食対策をしたうえでケーブルを引き込みます)
- 引き込み口付近に光コンセントを設置して作業完了
マンションの場合
一般的なマンションの場合、共用部分への光ケーブルの引き込みは完了しているため、共用部分から宅内への配線がおもな作業です。マンションによって配線タイプが異なるため、タイプに合わせた作業を行ないます。
配線タイプ |
工事内容 |
光回線 |
共用部分から電話回線を使って宅内に光ケーブルを引き込む |
VDSL |
共用部分から既設の電話回線を使って信号を送信する |
LAN |
共用部から各戸までLANケーブルを使って配線する |
なお、マンションの場合は申し込みから2週間程度で開通しますが、戸建ての場合は開通までに1~2ヵ月かかるので注意しましょう。
まとめ
auひかりは独自回線のため、混雑する時間帯でも速度に影響を受けにくいのが大きな魅力です。戸建ての場合はプランが豊富で、さらに速度を求める方は5ギガ、10ギガのプランを選ぶこともできます。
ただし、エリアが限定的なため、住まいが対象エリアに該当するか確認が必要です。
また、解約する場合は契約解除料が高額になることもあるので、タイミングはしっかり見極めましょう。